プレス機の精度

大切なプレス機の精度

油圧プレスの検査

プレスの精度の重要性

プレス機の精度が低いとどのような問題があるのでしょうか。 まずは加工された製品に不具合が発生する確率が高くなり、つまり不良品を作るペースが速まるので困ったことになります。 完成品にブレが生じるので上手くいくこともあれば失敗することもある、そんな信頼できないマシーンになってしまうのです。 多少は目を瞑ってもいい、そんなに正確さは求めないという製品を製造しているのならそれでもいいでしょうが、1ミリの誤差も許されない、注文した寸法通りに 加工してくれないとダメだよ、と厳しい要求がされるのなら精度にも注意して油圧プレスを選ばなければなりません。 またそれが原因で金型の寿命が短くなったり最悪の場合破損することもあるので、安物買いの銭失いを身をもって体験したくなければそこそこの精度を備えたマシーンで、 毎日の業務を行うのが得策かと思われます。 長く使うつもりなら先行投資と思って、ちょっといいやつを買っちゃいましょう。

精度の劣化

メーカーから納入されたばかりのピカピカの新品の状態では精度が高くても、何年も使っているうちに精度が低くなることはよくあります。 これは使用時間が多ければ当然起こる劣化によるもので、高品質なら高い精度を長く保つことは出来ますが永遠に続くことはありません。 早かれ遅かれあちこちが疲労して設置直後のような完璧さを保てなくなり調整を余儀なくされることになるのですが、低品質な油圧プレスほどその時期は早く 訪れると製造メーカーの営業担当者や整備士は口を揃えて言います。 良い材質で作られているほうが長持ちする、まあ当然のことだとは思いますが、安くはない買い物ですしついつい安価な方を選んでしまう気持ちもわかります。 ですがちょっとしたトラブルで大きく性能が下落してしまう安物より、頑丈で高価な品のほうが長い目で見たらお得になることを忘れてはいけません。 イニシャルコストを重視するかランニングコストを重視するか、という話になりそうですがメンテナンスの手間や稼動が止まる時間も考慮してじっくり考えてください。

静的精度と動的精度

プレス機の精度には動的精度と静的精度があり、前者は工場などで稼動、つまり加工をする時に各パーツが力を受けて変形する大きさをあらわします。 加工・生産には大きな力を使うため長期間の使用でどこかが歪んだり曲がってしまうことがあり、その度合いを動的精度と呼ぶのです。 ですが国が定めた基準もなければ業界の統一基準もなく、各メーカー独自の規定によって動的精度を定義しているので、2つのメーカーで性能を比較する場合は ちょっと注意が必要かもしれません。 共通の規格があればいいのですが今のところ該当するものは存在せず、メーカーがそれぞれ自分達で定めた規格を使っているのです。 一方静的精度はJISB6403で規定されており3段階に区分されています。 特級がもっとも優れており次いで1級、その下に2級です。 薄板精密打ち抜きのように高い精度を求められる加工には特級、一般成形なら2級といった感じで用途によって相応しい等級というのがあるので覚えておきましょう。